まさか30代で更年期?精神的な不調やのぼせなどの更年期症状が出るのはなぜ

30代後半から40代前半のアラフォー女性の間で、最近なんとなく体調が優れないという人が増えています。

■最近のぼせやほてりなどが気になり始めた
■特に原因もなくイライラすることや気分が落ち込むことがある
■月経周期が乱れる、など

以前とは違うと感じる不調は「もう更年期がきた!?」と心配になる人もいますよね。

特に、最近はTVや雑誌などでも「プレ更年期」や「若年性更年期」などの言葉を聞く機会が多く、本来の閉経前後に起こる更年期が年齢関係なく起こると思っている人も増えてきています。

そこで今回は、30代後半から40代前半の女性に起こるイライラやのぼせ・ほてりなどの更年期症状に似た不調の原因や更年期との関係についてご紹介していきます。

 

更年期とは

更年期とは、卵巣機能の低下によって女性ホルモンが急激に減少する閉経の前後5~10年の時期を指します。日本人女性の閉経年齢が50歳前後と言われているので、目安としては40代後半から50代前半の時期と言えます。

更年期の症状

更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することで心身にさまざまな不調が現れます。主な症状は、のぼせやほてりといった「ホットフラッシュ」やイライラ感・抑うつ感など、身体面だけでなく精神面にも現れます。更年期障害の現れ方や程度は個人差が非常に大きくなります。

■月経異常:月経周期が短くなる、長くなる、不規則な出血があるなど
■身体症状:発汗、頭痛、動悸、肩こり、目の乾き、疲れやすくなるなど
■精神症状:イライラする、気分の落ち込み、集中力の低下など

しかし、このような更年期の症状が本来現れる時期よりも早く、30代後半~40代前半のアラフォー女性に見られることも多くなってきているのは、どうしてなのでしょうか?

 

40代前後の不調は「プレ更年期」かも

更年期の症状は、卵巣の老化によって起こる女性ホルモンの分泌の減少が原因です。一般的に30代後半頃から徐々に女性ホルモンの分泌量が低下していきますが、まだ、卵巣の老化や閉経する時期には早すぎます。

30代後半から40代前半のアラフォー世代の女性の不調は本格的な更年期によるものとは異なります。

この年代の女性は、育児や仕事、家庭などでのストレスが非常に多く生活も不規則になりがちです。そのため女性ホルモンや自律神経のバランスを崩しやすく、心身に更年期のような症状が出やすくなります。

一般的にこのような30代後半から40代前半頃に更年期のような症状が出ることは「プレ更年期」と言われています。

 

プレ更年期とは

プレ更年期は、30代後半~40代前半のアラフォー世代に多く見られる症状です。

今までのように仕事や育児をしていても疲れやすかったりイライラすることが多くなったり、また、暑くもないのにのぼせや汗をかいたりするなどの心と体のさまざまなところに「いままでとは違う」と感じる不調が現れてきます。

女性の体調を左右しているのは、女性ホルモンと自律神経です。

女性ホルモンの分泌量は、25歳頃をピークに45歳以降の更年期を迎えるまで緩やかに減少し、特に35歳頃を過ぎると女性ホルモンの分泌量が少なくなってきます。また、女性ホルモンは自律神経と深く関わっているため、女性ホルモンの分泌量の低下が自律神経のバランスを乱す原因ともなりえます。

女性ホルモンの分泌量の低下や自律神経のバランスの乱れは、本来の女性の身体を守る働きが正常に行われなかったり、身体の状態を常に一定に保つ機能が低下したりするため、いわゆる更年期症状とされるさまざまな不調を引き起こします。

 

症状は同じでも原因が違う

「更年期」も「プレ更年期」も症状はほとんど同じなので、本来更年期が訪れると考えられている時期でなくても「更年期がきたかも!」と不安になります。

「更年期」も「プレ更年期」も症状が現れるメカニズムは同じです。

何らかの原因が、卵巣ホルモンの分泌量をコントロールする脳の視床下部に影響を与えることによって女性ホルモンの分泌量が減少したり、自律神経のバランスを乱したりすることで心身さまざまな症状が現れます。そのため、当然「更年期」も「プレ更年期」も同じ症状が現れてしまいます。

 

ただし、この2つは原因が異なります。

「更年期」は、卵巣の老化や機能低下が原因に対して、「プレ更年期」は、不規則な生活やストレスなどが原因となります。

例えば、プレ更年期の場合は、月経不順の原因は卵巣の老化ではなく過労やストレスであったり、ホットフラッシュと思っていたけれど、自律神経の乱れや冷えのぼせなどが原因であったりなど別の理由があります。

 

更年期に似た症状が現れたらチェックしてみて

30代後半から40代前半のアラフォー女性が「更年期かも?」と思ったら、生活習慣や自分の心身について振り返ってみましょう。

■オーバーワークや不規則な生活が続いている
■仕事や子育て、人間関係などストレスが溜まっている
■無理なダイエットや偏った食生活をしている
■症状が現れる周期が決まっている

これらの原因によって更年期に似た症状があらわれている可能性があります。

女性ホルモンが徐々に減少するのに加えてストレスや生活習慣が自律神経失調症症状を引き起こす可能性が高くなります。また、更年期と似たような症状が現れるPMS(月経前症候群)で悩む女性もこの時期には多くなります。

 

PMS(月経前症候群)の可能性も

更年期に似た症状が現れるものに、PMS(月経前症候群)があります。

PMS(月経前症候群)は月経予定日の10日~1週間前頃にさまざまな心身の不調が現れ、月経が始まると症状が治まるのが特徴で、月経前に起こる女性ホルモンの分泌の急変動によってバランスが崩れやすくなることが原因です。

PMS(月経前症候群)は、特に精神面の症状が顕著に現れ、「イライラする」「怒りっぽくなる」など自分で感情をコントロールできないほど状態になる人も少なくありません。

 

PMS(月経前症候群)の主な症状

<身体的な不調>

疲労感 頭痛 むくみ 眠気 乳房の張りや痛み 下腹部の張りや痛み 便秘 食欲の増進 片頭痛 吐き気 ニキビ 腰痛 手足の冷え

<精神的な不調>

イライラする 怒りっぽくなる キレやすくなる 涙もろくなる 憂うつになる 集中力が低下する 判断力が低下する 無気力になる

 

 

更年期やプレ更年期になりやすい人がいる!?

更年期の症状は、身体のさまざま部分に不調が現れ、症状が強く現れる部分やその程度は強さは個人差がとても大きくなります。そのため、更年期になると寝込んでしまうほどツライ症状が出てしまう人とほとんど気にならなかったという人もいるくらいです。

更年期症状の現れ方や程度の個人差は女性ホルモンの分泌量や日頃の生活習慣、更年期の予防の有無によって違ってきますが、更年期やプレ更年期になりやすいという人がいます。

 

それは、几帳面な性格や完璧主義などの性格(気質)の人です。

更年期は、卵巣の老化が原因でもありますがストレスによって自律神経のバランスが乱れることも大きな原因です。

物事を細かく捉えたり何事も完璧にやらないと気がすまない、白黒はっきりさせたいなどの性格の持ち主は、ストレス溜め込みやすくなります。特にプレ更年期の症状が出ている人は、性格(気質)もかなり影響していると考えられます。

 

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プレ更年期かもと感じたら

プレ更年期の不快な症状を改善するには、まずはストレス解消と規則正しい生活を送るように心がけましょう。早い時期から予防対策をしっかりしておくと更年期の時期を比較的楽に過ごすことができます。

プレ更年期の不調は主にストレスといって良いほど非常に大きな割合を占めています。

35歳以降は女性ホルモンの分泌量の減少が始まりますが、ストレスによって本来の加齢性変化より卵巣を早く衰えさせてしまいます。卵巣が早く衰えるということは当然、更年期になる時期も早まるということです。

 

そのため、最初の予防対策としてストレスを溜め込んでしまう生活習慣の改善から始めましょう。

十分な睡眠やバランスのよい食事をするなどして生活のリズムを整える、ストレス解消できるような趣味を見つけたり適度な運動をしたり自分なりの方法を見つけることが大切です。特に、夜にしっかり睡眠をとることや適度な運動などは自律神経のバランスを整えてくれるためおすすめです。

また、バランスよく食事をすることに加え、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンの摂取なども取り入れるとさらに効果が高まります。

 

プレ更年期の不快な症状を改善するには

プレ更年期の不快な症状でツライ場合は、医療機関へ相談しましょう。更年期に似た症状は自律神経失調症やPMS(月経前症候群)の他にも内科疾患や精神疾患などがある場合にも現れることがあります。

不快な症状の改善には、漢方薬やピルが効果的な場合もあり婦人科の受診が良い場合もあります。またイライラや気分の落ち込みなど精神面の症状が強い場合などは精神科の受診が良い場合もあります。

しかし、婦人科も精神科もかかりつけがないとなかなか相談しにくいと感じる人も多いと思いますので、まずはかかりつけの医療機関や内科などで大丈夫なので一度相談してみてください。

PMS(月経前症候群)はセルフケアで改善できる

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

更年期のような不快な症状は我慢していると、それ自体がストレスとなり余計症状が強く現れることや更年期が長引くこともあります。

更年期症状が現れると心配になったり、自分ではコントロールできない不調に不安になたっりしますが、30代後半から40代前半の女性に多く見られる症状なので、日頃からストレストと上手に付き合っていく方法を持っておく、つらい時には医療機関に相談するなど、早めに対策を取ることがポイントです